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2006年10月01日

上高地、黒部、栂池高原の旅(3回シリーズ)

(2)黒部ダムを訪ねて
黒部ダム湖.jpg
 信州路の旅、二日目の8月18日、昨夜の雨は上がり快晴に恵まれる。車は黒部ダムへと向かう。扇沢よりトロリーバスに乗り換え、関電トンネルに入る。しばらくすると、「破砕帯」を通過するとの車内アナウンスが流れる。黒部ダム建設で最も急がれた大町トンネル(現在の関電トンネル)工事に於いて、杭口2600mの地点で岩盤の中で岩が細かく割れ、地下水を溜めた軟弱地層「破砕帯」にぶつかり、一時はトンネル掘削が不可能になった。だが、あらゆる知恵と技術を結集し、長さ僅か80mのために実に7ヶ月の苦闘の末、これを突破したとのことである。当時の激闘を想像しながら、バスは「破砕帯」をあっという間に通過する。
黒部ダム湖2.jpg
約15分後、標高1470mの黒部ダム駅に着く。バスから降り、ダムに通じるトンネル通路を歩く。通路内は12℃とかなり冷えている。「寒い!」
薄暗いトンネルを抜けると、そこは別世界が待っていた。眩しい太陽の光と共に大自然のパノラマが目の前に開く。青い空をバックにアーチ式巨大ダムと緑深い立山連峰が映える。高さ186m、長さ492mのダムから放流する景色は壮観である。戦後の深刻な電力不足を補うため、昭和31年に着工し、7年の歳月と当時の金額にして513億の工費、延べ1000万人の人手を費やし完成した黒部ダム。大自然との共生の中に存在する。
続いて黒部湖遊覧船に乗る。右舷に立山連峰、左舷に針ノ木岳、正面に赤牛岳の雄姿が迫り寄り、湖面からそびえ立つ雄大なアルプスの大自然を満喫する。黒部渓谷の真ん中にいる自分に胸が躍る。針の木谷までの往復11.5kmの日本最高標位を航行する遊覧船の思い出は忘れられない。
雄大なアルプスを背に、人々が長い年月を掛け、厳しい自然と格闘して成し遂げた巨大ダム。今日は勇気をもらった一日となった。
黒部ダム.jpg
今月の一言
染色の技術があり、黒を出そうとする。
勿論、黒という色は単色でも存在する。だが、赤や青や緑など、複数の色をかけ合わせることによっても黒になる。すると、深みのあるなんともいえない黒が生まれる。
単色の黒は、それにとても及ばない。
まさに、色々な色を取り入れることによって魅力的な黒になる。
他にない個性的な黒が生み出されるのある。
人の「個性」というのも、これと似たことが言えるのではないか。

投稿者 administrator : 2006年10月01日 21:46